猫と飛行機で長距離引っ越しする方法｜初めてでも安心！事前準備・当日・新居の全対策

このような悩みや疑問を、この記事で解決します！

私も九州から関東まで猫2匹と飛行機で引っ越しした経験があります。
でも、引っ越す前はわからないことが多すぎて右往左往しました。

そこで、この記事では元・動物看護師＆宅建士の筆者が、
猫と飛行機で引っ越すための準備・当日の流れ・新居先でのケアまで解説します。

猫2匹と長距離引っ越しした私の体験談｜九州→関東を飛行機で移動！

「猫を飛行機に乗せて引っ越すなんて、本当にできるの？」と思っていた私が、
実際に猫2匹を連れて、九州から関東まで飛行機で引っ越しをしました。

引っ越す理由は、「新しい環境・仕事への挑戦」というフンワリしたものです。

だけど、「どうすれば猫2匹に最小限のストレスで引っ越しができるか」が一番の難関。
ネットでたくさんの情報を集めたり、車や新幹線などあらゆる移動手段を比較したりなど、もう大変でした。

たとえば、福岡から東京まで猫を連れて行くとしたら…

• 車：約 11〜13時間程度
• 新幹線：5時間＋新幹線に乗る前後で2時間＝7時間程度
• 飛行機：2時間半＋乗る前後で3時間＝5時間半程度

やっぱり飛行機が一番短い時間で移動できます。

そして、料金を比較すると…

• 車：4万円（レンタカーは基本ペットNGなので自家用車）
• 新幹線：2.5万円＋タクシー料金2万円＝4.5万円
• 飛行機：5.5万円＋タクシー料金2万円＝7.5万円

一番安く移動できるのは、新幹線という結論です。
※概算なので、時期や時間によって金額は変わります。

私の場合は1人に対して猫2匹だったので、飛行機一択でした。

「飛行機でも、猫2匹はきつくない？」と疑問に思うでしょうが、
空港には大きな荷物をのせるカートがあります。
カートに猫2匹を乗せて移動できるので、空港内の移動は安心でした。

もちろん、心配事はそれ以外にもたくさんありますよね。
その疑問や不安を、これからひとつずつ解説していきます。

なによりも大事なのは、「猫の気持ちになって行動すること」。

猫の飛行機移動で後悔しない！航空会社を選ぶ4つのポイント

猫との長距離引っ越しで、まず悩むのが「どの航空会社を選ぶか？」ではないでしょうか。
料金・安全性・搭乗方法など、比べるべき点は意外と多いんです。

ここでは、実際に私が猫2匹を連れて飛行機で引っ越しをした経験から、
絶対に外せない選び方のポイントを5つにまとめて解説します。

①猫は客室に乗れる？それとも貨物室？搭乗スタイルを知ろう

最初に確認すべきは「猫がどこに乗るか」です。
機内に同伴できるか、貨物室で預けるかは、航空会社によって大きく異なります。

結論から言うと、機内にペット同伴できるのは、「スターフライヤー」一社のみとなっています。（2025年10月時点）

• サービス名：「FLY WITH PET！」
• 料金：50,000円/匹
• ホームページから搭乗日2日前まで予約可能
• ワクチン接種証明書が必要
• 持ち込めるのは、1人につき1匹まで
• オムツの着用が必要
• 機内でもケージから出すことはできない

詳しくは、スターフライヤーHPでご確認ください。

のののの私が猫2匹と引っ越ししたときは、「FLY WITH PET！」のようなサービスはなく、貨物室で預かりのみでした。
そして現在国内線でペットと飛行機に乗る場合も、ほとんどが貨物室での預かりになります。

「貨物室＝危険」というイメージがありますが、近年では空調管理付きの便も増えており、必ずしもNGとは言えません。
ただし、体力のない子や高齢猫にはややリスクが高いのも事実です。

②猫1匹でいくら？航空会社ごとの料金＆条件をチェック

航空会社によって、ペットの運賃や条件は大きく異なります。
1匹ごとに料金がかかるのか、キャリー単位なのかも要チェックです。

さらに、体重・キャリーサイズ・予約方法なども会社によってバラバラなので、出発前に必ず確認しておく必要があります。

• ANA：国内線で1区間3,500～7,700円　事前予約だと安くなる
• JAL：国内線で1区間4,500～6,500円　1人1匹まで
• LCC：ピーチ・ジェットスターなどはペット輸送不可が基本

「LCCなら安く済む」と思っていても、そもそもペットを受け入れていないケースが多いため注意が必要です。

③飛行機内の温度や安全性は？長距離移動前に知っておくべきこと

猫との長距離移動で最も注意したいのが「温度と安全性」。
特に貨物室を利用する場合、人間が想像する以上に環境が過酷です。

気温の変動、気圧の変化、機内騒音など、猫にとっては強いストレスになり得ます。
とくに夏・冬の移動は命に関わるリスクがあるため慎重な判断が必要です。

• 空調はあるが、機内のように快適ではない
• 暑い時期・寒い時期は特に温度変化しやすい

最近では「温度管理付き貨物室」などもありますが、すべての便が対応しているわけではありません。
予約時に必ず確認を。

④猫にとって快適なキャリー選びと航空会社の基準

飛行機移動において、キャリー選びは命に関わるほど重要です。
航空会社の条件に合わないキャリーだと、最悪の場合は当日断られることもあります。

また、猫にとって「快適」であることも忘れてはいけません。
通気性・頑丈さ・中で動けるスペースのすべてがポイントになります。

• IATA（国際航空運送協会）基準を満たすキャリーが推奨
• 施錠が可能なハードタイプで、上部・側面の通気口つき
• キャリーケース（クレート）のサイズは航空会社ごとに異なる

普段の病院通いで使っているキャリーがあっても、
飛行機基準を満たしていない可能性があるので注意しましょう。

猫の長距離引っ越し｜飛行機搭乗までにやるべき準備4選

飛行機での長距離移動は、猫にとっても飼い主にとっても大きなストレス要因。
だからこそ、出発前にできる準備を抜かりなく行うことが成功のカギです。

ここでは、元動物看護士の経験をもとに、飛行機移動に向けて必ずやっておきたい4つの準備を解説します。

①猫のキャリー慣れ・絶食管理など事前準備の基本

飛行機移動に備えて、キャリーへの慣れと食事の管理は必須項目です。
猫にとって慣れない移動手段でも、事前のトレーニングで負担を軽減できます。

特にキャリーは、飛行機搭乗の数日前から部屋に置いて慣らし、できれば中でごはんやおやつを与えて
「安心できる場所」にしておくのが効果的です。

• キャリーは当日使うものと同じものを使い、数日かけて慣らす
• 当日の朝は嘔吐防止のため、飛行機搭乗の4～6時間前から絶食
• 水は直前まで与え、脱水を防ぐ（機内では飲めないため）

「うちの子は大丈夫」と思っても、本番では驚いて暴れるケースも。
繊細な子ほど、繰り返しのトレーニングと丁寧な準備が必要です。

②体調に不安がある猫は動物病院に事前相談しよう

高齢猫や持病のある猫、体調が不安定な子を飛行機に乗せる場合は、
必ずかかりつけの動物病院に相談してください。
※航空会社によっては、持病のある猫を飛行機に乗せることができない場合もあります。

飛行機の気圧や騒音が猫に与える影響は思っているより大きく、
健康状態によっては獣医から輸送NGが出るケースもあります。

• 心臓・呼吸器系の疾患がある猫
• 食欲不振や便秘など不調が続いている猫
• ワクチン未接種、または接種直後で体力が落ちている猫

「元気そうだから大丈夫」と自己判断するのではなく、獣医に移動の可否や当日の注意点を確認しておきましょう。

③引っ越し先の近くの動物病院も事前に調べておくと安心

新居に着いてから猫が体調を崩した場合に備えて、
引っ越し先の動物病院を事前にリサーチしておくことも必須です。

引っ越し当日や到着直後は、すぐにネット検索できない可能性もあるため、
最寄りの病院情報を控えておくと安心です。

• 口コミや対応症例が記載された公式サイトをチェック
• 夜間救急や休日診療に対応しているか確認
• 最寄駅・駐車場の有無なども調べておくと安心

「何かあったら探せばいい」では手遅れになることも。
特に体調が不安な猫の場合は、通院までの動線もシミュレーションしておきましょう。

④元動物看護士が教える｜猫の飛行機移動前チェックリスト

最後に、飛行機で猫を連れて引っ越す前に「やっておくべきこと」を一覧で整理します。
出発前日の再確認や、同居家族との情報共有にも活用してください。

• キャリーに数日かけて慣れさせる
• 搭乗4〜6時間前からの絶食（※水は直前までOK）
• 体調に不安がある場合は動物病院に事前相談
• 新居近くの動物病院をリストアップ・保存
• 航空会社・便の確認（ペット輸送OK・空調管理）
• キャリーのサイズ・仕様が航空会社の条件に合っているか確認

猫の飛行機引っ越し【当日の流れ】で気をつけたいこと3つ

いよいよ当日。これまでしっかり準備をしてきたとしても、
当日の過ごし方によって猫のストレスや体調への影響は大きく変わります。

ここでは「出発前」「空港での対応」「飛行中」「到着後」の4つのシーンに分けて、気をつけたいポイントを順に解説します。

①家を出る前にやっておくべき猫の準備チェックリスト

出発前に整えるべき4つのポイントをチェックしておくことで、猫との移動トラブルを防ぐことができます。

当日はバタバタしがちなので、忘れ物や確認漏れを防ぐためにも事前にチェックリストを用意しておくと安心です。

• キャリーの扉がしっかりロックされているか確認
• ペットシーツ・毛布などを入れておく（いつもの匂いが安心）
• 給水器をセット（こぼれ防止タイプ）
• 猫の状態（呼吸・表情・排泄など）をチェック
• 航空会社ごとに違うルールや注意点を再度チェック

「家では大丈夫だったのに、空港でパニックになった」などのケースは意外と多いです。

②空港ではどうする？受付〜搭乗まで猫を落ち着かせるコツ

空港では猫をなるべく落ち着かせた状態で預けることが、安全な飛行の第一歩です。

空港は音や人の動きが多く、猫にとって非常に刺激が強い環境。
受付〜搭乗までの時間の過ごし方で、その後の移動ストレスが大きく変わります。

• チェックインのタイミングは搭乗1時間前を目安に、早めに到着
• キャリーに布をかけて視界を遮ると、猫が落ち着きやすい
• 静かな場所を選び、声をかけながら受付を待つ

「直前までキャリーを開けてなでてあげたい」という気持ちはよくわかりますが、出し入れでパニックになるリスクもあるため、キャリー内でそっと見守るのが安全です。

③到着後すぐやること｜猫をキャリーから出すタイミングと注意点

到着後すぐに猫をキャリーから出すのはNG。
落ち着いた環境を整えてからが鉄則です。

慣れない場所で急にキャリーから出されると、猫はパニックを起こすことがあります。
まずは猫が安心できる空間を整えることが優先です。

• 静かな部屋にケージやキャリーごと設置し、数時間は様子見
• 体調に変化がないか観察する
• トイレ・水・寝床などをすぐそばに置いておく
• キャリーやケージの扉は開けっぱなしにして、猫のタイミングで出られるように

「やっと着いたから、すぐに出してあげたい」という気持ちはよく分かりますが、猫にとっては新しい場所そのものがストレス。
無理に出そうとせず、そっとしておく方が安心して自ら出てきてくれます。

⇩賃貸で猫と暮らすときの注意点は、こちらの記事で詳しく解説しています。

猫との長距離引っ越し後｜新居でのケアと落ち着かせる方法3つ

長時間の移動を終えて、ようやく新居に到着。
ですが、ここからが猫との新生活の本番です。

猫にとって見知らぬ場所は不安の塊。少しでも早く安心させ、
普段通りの生活リズムを取り戻すために、飼い主ができるケアを丁寧に行いましょう。

①まずやるべきは「安心できる部屋づくり」

引っ越し初日は、猫を広い部屋に放すのではなく、1部屋だけに限定して過ごさせるのが最も安全です。

猫は環境の変化に敏感な動物。
新居全体に一気にアクセスさせると、匂いや音の変化に圧倒されてしまい、ストレス反応が強く出る可能性があります。

• まずは静かな部屋にキャリーやベッドを設置
• トイレ・ごはん・水は近くに配置し、すぐ使える状態に
• 人の出入りが少ない環境を選び、落ち着くまでそっと見守る

「広い空間のほうがのびのびできるのでは？」と思うかもしれませんが、猫にとっては「縄張りが狭い＝安心できる」状態。
初日は小さな空間で安心感を与えることが、長期的な順応につながります。

②ごはん・トイレはいつ？猫が落ち着く配置とタイミング

引っ越し直後は、猫の生活リズムをなるべく崩さないことが重要です。

見慣れない環境では、猫は極度の緊張状態にあります。
その中で「いつも通りのこと」があるだけで、安心材料になり、ストレスの軽減につながります。

• ごはん・トイレの時間帯は旧居と同じサイクルを意識する
• 使い慣れた食器・トイレをそのまま使う
• 寝床も旧居で使っていたものを設置し、安心感を演出

「新居だから全部新しくしたい」という気持ちも分かりますが、猫にとっては「匂い」「感触」が変わることで不安が増してしまいます。
新しいものは落ち着いてから、少しずつ取り入れましょう。

③隠れて出てこない・震えてるときはどうする？

引っ越し直後の猫は一見落ち着いていても、体調や行動に変化が現れやすいタイミングです。

移動の疲れや環境変化によるストレスで、体調不良や行動の異常が出ることがあります。
早期に気づいて対応できれば、重症化を防げます。

• ごはんや水を全く摂らない／嘔吐・下痢がある
• ずっと隠れて出てこない・呼んでも反応しない
• トイレの回数・量が著しく少ない／多すぎる

「初日だから仕方ない」と思って見逃してしまうと、病気や脱水が進行してしまうことも。
特にトイレの異変は、泌尿器系のトラブルのサインかもしれません。

⇩猫のストレスケア方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

猫と飛行機引っ越しのベストシーズンは？季節別の注意点

猫と一緒の飛行機引っ越しでは、時期選びがとても重要。
特に真夏や真冬は、飛行機の輸送環境に大きな影響を与えます。

この章では、猫にとって安全な引っ越しシーズンと、それぞれの季節に応じた注意点を解説します。

猫にとって最適な引っ越し時期は「春か秋」その理由とは？

猫にとって飛行機での引っ越しに最も適している季節は、春[3〜4月]と秋[10〜11月]です。

この時期は外気温が安定しており、輸送中の寒暖差によるストレスや体調不良のリスクが少なくなります。
特に貨物室での移動を伴う場合は、外気温が猫の安全性に大きく関わります。

• 気温・湿度ともに安定していて猫の体調が崩れにくい
• 春・秋は日照時間もほどよく、移動中の負担が少ない

「スケジュールの都合で真夏や真冬しか選べない…」というケースもあるでしょう。
その場合は後述の季節別注意点を必ず確認してください。

真夏[7〜9月]の飛行機引っ越しで注意すべき3つのこと

真夏の引っ越しは、猫にとって最もリスクが高い時期。暑さによる体調不良や熱中症に要注意です。

飛行機の貨物室は空調管理されている場合でも、地上での待機中や輸送中に高温になる可能性があります。
特に真夏の昼間は、アスファルトの照り返しも加わって危険です。

• 可能なら早朝便・深夜便を選び、気温が低い時間帯に移動
• 空港や航空会社に「温度管理の有無」を事前確認する
• 凍らせたペットボトルをタオルで包んでキャリー内に入れる工夫

「空調管理されているから安心」と思いがちですが、空港での積み下ろし時間は高温環境にさらされることがあります。
自己判断せず、必ず対策を講じましょう。

真冬[12〜2月]の飛行機引っ越しで気をつけたいポイント

冬の引っ越しも、猫にとっては体調を崩しやすい時期。
低体温や冷気によるストレスに注意が必要です。

特に飛行機での移動は、地上での待機時間や貨物室の温度管理が十分でない場合、寒さで猫が体力を消耗してしまうリスクがあります。

• キャリー内に毛布や使い慣れたブランケットを入れて保温
• カイロを毛布の下に入れてあげる
• 空調設備や貨物室の暖房環境を事前に航空会社に確認

「キャリーが密閉されてるから大丈夫」と思っていても、実際は通気性がある構造なので冷気が入り込みます。
過信せず、寒さ対策を万全にしましょう。

まとめ｜猫との飛行機引っ越しは“事前の準備”がカギ！

猫と一緒の飛行機引っ越しは、想像以上に気を配ることが多く、心配も尽きません。
ですが、しっかりと準備し、猫の立場に立った対策をすれば、長距離移動でも穏やかに乗り越えることができます。

元動物看護士の経験と、実際に猫2匹と九州から関東へ引っ越しした体験からお伝えした通り、
最も大切なのは「猫にとって何が安心か」を第一に考えることです。

• 航空会社の選び方や時期選定は慎重に
• 飛行機移動の前後は、生活リズムや安心空間を大切に
• 引っ越し先でも“いつも通り”を意識してストレス軽減

本記事が、これから猫と一緒に引っ越しをするあなたの不安を少しでも和らげる助けになれば幸いです。